学生の皆さんと

2006年6月20日
茨城大学へ講義をさせていただくためにお邪魔してきました。
『アメリカンポップカルチャーと日本』という授業で毎年、お邪魔しています。
この授業では、私が影響を受けてきた黒人音楽の話、
サンプリングの話などを交えつつ、歌を歌います。
最近のライブでは唄うことが少ないデビュー曲の『青いドレス』や、
2ndアルバムに入っている『153,7』なども、
コード進行の話をして、歌いました。

受講している大学生の頭の中にはおそらく、
「黒人音楽を聴いて育った歌手」へのある一定のイメージがあるようで、
私が、教室に、ちょこんといると、「へ?あのひとが?」
と意外な表情をうかべ、見つめてくる学生が多くいます。

そして、歌い出した後は、皆さんの表情は、変わってゆきます。

その変化がとても面白い。

こちらから見ていると、ものすごく集中力を発揮して、
ものすごく輝く目で、見つめてくる学生もいれば、
手元にあるプリントを見続けている方もいたり、
こんなにも、教壇側からは、学生の様子が見えているんだと、
自分の学生時代のことを想い出したりもします。

そして、個々人がもっている輝きも、こちらからよく見えます。

とにも、かくにも、私が、ただ歩んできた道をお話しすることで、
学生の皆さんに、何か一つでもきっかけや、気づきを与えることが出来るならば、
それは、とても嬉しいことだと思います。

同時に、話をしてゆくことで、自分が育ってきた環境は
すこし一般的ではなかったことにも気がつかされます。

子供の頃、家族ででかける車中では
Stevie Wonder、Roberta Flack、EWAFなどが、かかっていていました。
構えることなく、洋楽を聴いて育ったこと。
音楽がかかれば、踊り出したり、歌い出したりする親戚が、身近にいたこと。

そして、目の前にある物に対して、常に興味を持ち、
取り組んでゆく姿勢は、両親から得たものだと感じました。

自分ではない他人、ましてや、自分に興味を持っていない人にむけて、
何かを伝えるのは、とても難しいことです。

こちらを見てもらうことだけでも、大変です。

そんな時、歌を歌うことは、自分と知らない人とつなげてくれるすばらしい手段です。

勿論それが届かない場合もあります。
NUUの歌に興味はないが、NUU個人に興味があると言う人もいます。

人とのつながりは、どんなところで生まれ、離れてゆくか。

私は学生時代に、いろんな出逢いがありました。
その出逢いの中で、今があります。

今回であった茨城大学の学生の皆さんの進む道が、
少しでも、光にあふれているように。
そして道に迷っても、遠くにある光を見失わないように、生きて欲しい。

私は、学生の皆さんにお伝えできることは何もありません。

ただ、こうして生きている人が、いる、ってことを見せられるだけです。

こうして考えるきっかけを与えてくださった君塚先生に感謝します!

エレピでのすばらしい演奏、夏秋さん、ありがとうございました!
久しぶりに、歌う『青いドレス』『153.7』最高に気持ちよかったです。

ブラックNUUさん。そろそろ、復活ですかね!?

NUU


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