私の選んだコーヒーカップ。

七尾藍佳ちゃんと一緒に 国立演芸場
落語を観に、聴き、にいって参りました。

《落語》入船亭扇里
《声帯模写》原一平
《落語》古今亭菊丸
《桂子ひとりごと》内海桂子
《落語》三遊亭生之助
《ボーイズ》灘康次とモダンカンカン
《曲独楽》柳家とし松
《落語》入船亭扇橋
(敬称略)

人生初の生の落語。
ほんとうに、素晴らしい物を見せていただいた。
芸というものの、真髄、まさにその「真髄」という言葉を感じた。
言葉で繰り広げられる世界。実際には目の前に見えていないが、
あたかもそこにあるように、目に見えてくること。
そこにうまれる「たたずまい」。
言葉を「かける」ことのおもしろさ。
活き活きとした空気がそこには流れていた。
年輩の方々は、こんなに面白い物を見て、過ごしていらっしゃるのか!!

すごいなぁ。

そして、落語の中に語られる美、
その情景を生で知らないことが、
とても自分としては、寂しいことに思う。

内海佳子さんの舞台は、特に感動した!82歳!凄い声が出ていらして、
動きのしなやかさ、芸歴のながさ。
生でその人の芸を観ておくことの大切さ。
その瞬間、瞬間。

あいかちゃんは、《ボーイズ》灘康次とモダンカンカンに、
異常なはまりようで、げらげら!笑っていた!
その藍佳ちゃんが、最高に面白かった。
私は、菊丸さんの落語で大爆笑。
顔の表情が、登場人物によってすぐに変わる瞬間。
話す相手によって、向きを変えたり、体付きを一瞬のうちにして、
別人へと変えてゆく。
そこには、一人の人しか、舞台にはいないのに、
なんでもある、誰でもいる、何処へでも行ける。
その広さ。空間。時間。

目に見える大きな物をどかーん!!どかーん!と
繰り広げるハリウッドの映画も、たまには好きだけど、
私はやはり、体一つの持つ、表現の広さを感じる、信じる。
その方が好きだ。
お客様の中にある想像力への信頼だ。
そんな気がする。

三遊亭生之助さんのがまのあぶらのお話も面白かった。
刀で紙を細かく切り、それ空中に放ち、ふぅぅ〜!と、
目の前に紙吹雪のように蒔く、その画像は、
頭の中に焼き付いている。
見えていないはずなのに。

入船亭扇橋さんの声は、小さいのだけど、聞こえてくる。
そして扇橋さんが描かれる情景は、
美しかった。
登場する茄子の精が、肩をもむシーンは、
その手つきや、彼女の色の白さまで、見えてきた。

この日は、藍佳ちゃんと、ずっとずっといた。
げらげら、ずっと、笑っていた気がする。
彼女はとても利発。
そして、なんだか、落ち着く。
きっと、私の持つ意地悪具合と、彼女の持つ意地悪具合が、にてる。

始まる前、演芸場の近くの珈琲屋さんで、美味しいコーヒーを頂いた。
コーヒーが飲めるようになったのは、実は最近。
カップを一つずつ、どれにいたしますか?
選ばせてくださった。
横に座っていらしたおばさまが、今日はどれとも目が合わないわ。
と時間をかけてカップを選んでいた。

夕飯には、沖縄料理。
藍佳ちゃんの凄い話を聞いて。すごいなぁ。
と、心から、驚く。

今日はとても素晴らしい日だった。

沢山笑って、沢山泣いて、沢山人とお話しして、
沢山お話を聞いて、自分の出逢っている問題と対峙した。

自分が出逢うすべてのこと、
それらに感謝をする。

2004年8月10日 NUU 

  
 藍佳ちゃんの飲んだアイスコーヒー
 あまくて、あまくて、幸せな味。
七尾藍佳ちゃんがお話しする番組tokyofm『morning freeway』HP
朝6時から9時の番組。web上でラジオが聴ける!

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